一般社団法人十日町青年会議所

第66代理事長 蕪木 陽一

理事長所信
一般社団法人十日町青年会議所
第66代理事長 蕪木 陽一

【スローガン】
つなぐ

【基本理念】
過去を知り、自身を磨き、未来へ紡ぐ

【はじめに】
JCはいったい何をする団体なのか。只の同世代の交流の場なのか。少なからずの方がこ
う思い、感じているのではないでしょうか。私自身、十日町青年会議所(以下JCI十日町)
に所属しながらもひとつひとつの事業に対し、誘われるがまま曖昧な気持ちで活動してい
た経験から、同じような気持ちで参加しているメンバーがいるかと思います。
毎年JCI十日町はその時々の委員長が、メンバーと共に「明るい豊かな社会を築き上げ
る」という途轍もなく大きな課題に対し、知恵を振り絞り事業を構築し、関係者と連携して
素晴らしい事業を行っていますが、このように感じることができたのは昨年度監事という
立場から事業全体を俯瞰的に捉えることができたからです。
本年度はメンバーが胸を張って「JC活動を行っている」と言えるよう、メンバーから二
つの目的を持って事業を構築し、取り組んでもらいたいと思います。一つ目はこの地域をよ
りよくするための事業をどのような目的があるか理解し、意識をもって展開すること。そし
て、二つ目は率先して活動に参加し、様々な経験から自身の明るい豊かな社会というビジョ
ンを持ち、今後の活動でリーダーシップを発揮できるようになることです。

【創立65周年を迎えて】
本年度創立65周年を迎える一般社団法人十日町青年会議所は、1957年の創立以来、
JC3信条である「修練・奉仕・友情」を活動方針とし、明るい豊かな社会を築いてき
た。今日まで脈々と受け継がれる歴史の深さを噛みしめ、地域を常に鼓舞してこられた先輩
諸氏、そして共に歩んで下さった関係者の皆様に対し、尊敬と感謝の念に堪えません。先人
が築き上げてきた、高い志と情熱、そして地域の方々との連携は確実に現役メンバーに受け
継がれており、私たちはこの流れを途切れさせる事無く、未来につないでいく必要があると
考えます。
65周年に向け、メンバーは今までお世話になっている関係団体の皆様、行政関係者の皆
様との連携を未来へ絆ぐ為に今一度連携の再確認を行います。そして、65年という長き歴
史を繋いできた先輩諸氏、関係団体の皆様、JCI十日町に関わってきた多くの方々への感
謝の思いを表す記念式典を開催いたします。

【創立70周年へとつなぐ】
現在JCI十日町の構成人数は100名を超える全盛期の1/5程度となっています。
このまま会員が増えずに、5年後の節目である70周年を迎えると、現役のメンバーはわず
か一桁となります。このまま例年並みの新入会員数が続くようでは近いうちにJCI十日
町は存続することが難しいでしょう。今一度拡大に対する意義を考え、全体で取り組む必要
があると考えます。勧誘し、入会につなげるには伝える側が拡大の意義を理解し、どのよう
な活動をしているのか説明できなければ拡大にはつながらないのではないでしょうか。
JCのことを全く知らなかった人や、ネガティブなイメージを持っている人の心を揺さ
ぶり、入会につなげるにはJCの目的、メリット、デメリットをきちんと伝え、その結果J
Cという組織に関わってみようという気持ちが芽生えることが重要です。その為にはメン
バー1人1人が自分自身の言葉でJCI十日町について説明できる必要があります。また、
自身の経験や感じたことについて胸を張って語れるよう、行動を促していきます。

【越後妻有地域の魅力を発信】
ここ越後妻有地域にはたくさんの素晴らしい歴史、文化があります。私達は自身の住むこ
の越後妻有地域の魅力に気付いているのでしょうか。2020年に十日町市のストーリー
「究極の雪国十日町-真説!豪雪地ものがたり―」が日本文化遺産として認定される等、こ
の地域の文化と雪は切っても切れないつながりがあります。雪と共に形成されたこの特色ある地域は私達にとって誇れるものであり、未来へとつないでいく必要があります。この地域の魅力を多くの方に知っていただくために、先ずはこの地域に関わりの深い私たちが魅力を理解し、発信する必要があります。近年、世界への情報発信がSNS等の発達により個人でも簡単に、身近に発信することができます。しかし、興味や関心を持って閲覧してもらうことは、多くの情報が溢れる現在では難しいでしょう。
JCI十日町だけで発信するのではなく、この地域に住む多くの方々から私達とは違っ
た視点から発信していただく事ができれば、目に留まる機会は確実に増えます。その為には、メンバーが越後妻有地域の魅力を知り、情報発信の重要性と共に多くの方々に魅力を伝える必要があります。

【雪を楽しむ】
長い期間雪に覆われるこの地域において、「市民全員が参加でき、雪を敵と思わず、雪を
友と考え、雪まつり期間だけでも外で雪を楽しもう。」という思いのもと地域住民が主体と
なり、十日町雪まつりを誕生させました。そしてJCI十日町は長きに亘り、雪まつりの中
で最大の広場である「コミュニティひろば」を主管してまいりました。しかしながら202
0年に発生したコロナウイルス感染症のパンデミックにより、大きく形を変えなければな
らない転換期に来ています。
昨年度は十日町雪まつりが中止となり、「雪を友とし、雪を楽しむ」事業として雪灯籠街
道2021を開催いたしました。雪まつりに替わる雪を楽しむ事業として、各地域から50
0名以上の方より雪灯籠制作に参加していただきました。メンバー共々、一丸となり街道を
作り上げていく中で、新しい「雪を敵と思わず、雪を友と考える。」という思いが繋がった
と確信しています。
本年度は持続できる形の「コミュニティひろば」の検討と共に、雪まつりの原点に立ち返
り、地域住民の冬の楽しみとなるような事業を昨年度開催した雪灯籠街道2021事業を
踏まえながら展開していきます。

【自分の身は自分で守る備えを】
日本は世界有数の災害大国と呼ばれており、数十年に一度と言われる大規模豪雨災害が
近年では毎年のように発生し、世界で発生するマグニチュード6.0以上の地震の20.8%が日本に集中しています。この越後妻有地域も例に漏れず、近年マグニチュード6.0以上の地震が発生し、昨年は災害救助法が適用されるほどの大雪が降り家屋の損壊や交通マヒを引き起こしました。いつ襲いかかってくるかわからない地震や大雨、大雪等による大規模な自然災害に対し、過去に起こった災害を教訓とし、今後の更なる防災・減災強化に繋げていくことが重要であり、自分の身は自分で守る「自助」が非常に大事であると考えます。
自分自身の身を守る「自助」を確立することで、家族や近隣で助け合う「互助」へ目を向
けることができ、地域の防災組織などで守る「共助」へと繋がっていきます。そして、国や
自治体が支援する「公助」を必要とされている人が受けられるようにする意識の醸成の為に、JCI十日町・社会福祉法人十日町市社会福祉協議会様・特定非営利活動法人セーフティネットぼうさい様の3団体で設立した、越後妻有防災ネットワーク協議会にて、防災・減災意識向上に向けた事業を展開します。

【子ども達の心を育む】
JCI十日町は、わんぱく相撲十日町場所を1985年から継続的に開催してきました
が、2020年にはコロナウイルス感染症拡大の懸念があることから中止、翌2021年は
開催が危ぶまれましたが、わんぱく相撲十日町場所感染症対策ガイドラインを作成し遵守
することで開催することができました。本年度もこのガイドラインをさらに精査し、安全に 参加できる第37回わんぱく相撲十日町場所を開催いたします。また、新潟県内の全国大会
を目指す子ども達が日頃の修練の成果を発揮できる場、同じ目標を持つ子ども達の交流の
場として第30回わんぱく相撲新潟県大会十日町場所を開催いたします。
本事業は継続して行ってきている事業となりますが、この地域に相撲を普及させる為だ
けでなく、子どもたちに相撲を通じて、礼節を学び相手を思いやる「心」、様々なことに積
極的に取り組み、最後まで挫けない「心」、そして体一つでぶつかり合うことで恐怖心に打
ち勝つ「心」。このような「心」を育むことを目的に行ってまいります。

【情報発信の必要性と円滑な会議運営】
JCI十日町は明るい豊かな社会を築き上げることを目標に、仲間と共に成長できる団
体として活動しています。しかし、地域の方に具体的な活動内容はあまり知られてはいな
いかと感じます。住む方々に私たちが行っている活動や運動、そして所属している会員に
ついて知っていただくことで、理解、共感を頂けるのではないでしょうか。そのためには
こまめな情報発信が欠かせません。既存の手法の改善だけでなく、新たな手法も検討、模
索して効果的に発信します。
また、「青年会議所」という名前が示す通り、私たちの活動の中では多くの会議の場が
あります。会議の場が会員にとって有意義な情報や意見交換が行える場所と時間となるよ
うに、また、諸事情で会場に足を運ぶことができない方にも参加できるようにWEB等も
併用し、有意義で、参加しやすい会議の設営、運営を全メンバーが行います。

【結びに】
一人の力ではたかが知れています。一人で信濃川に橋を架けようと思い、行動しても10
0年かけても難しいでしょう。しかし、誰かが立ち上り計画しなければ永遠に川に橋を架け ることは叶いません。そして、共感してくれる多くの協力者がいなければ橋を架ける事は難
しいでしょう。
「明るい豊かな社会を築き上げる」事も同じではないでしょうか。メンバーひとりひとり
が明るい豊かな越後妻有という明確なビジョンを持ち、互いに議論することで実現可能な
形、協力者が得られる形へと昇華できます。そして、勇気をもって立ち上がり率先して行動
することで、多くの方が共感し共に活動していただけるような関係性を築くことができる
はずです。JCI十日町がこの地域を次世代が誇れる未来へと紡いでいきましょう。